【短編小説】人って不思議だよねーって話((
人は心が苦しくなる。
心が苦しくなると、吐き出したくなる。
人は思いやりがある。
思いやりがあると、心配をする。
人には気遣いがある。
気遣いがあると、迷惑をかけないようにする。
人は追い込まれてゆく。
追い込まれると、全て壊れてゆく。
そして、苦しみは身体をも蝕む。
人は楽になりたいと思う。
此処から消えてしまいたいと思う。
心の苦しみも、相手への気遣いも、重いだけの心配も、
全て消してしまいたいと思う。
人は更に心配する。
そして、人はその心で優しく包み込む。
暖かくて、なんだかとてもほっとする様な。
優しい言葉で心をほぐす。
人は溶けてしまう。
抱えていた苦しみも、涙も、しまい込んだ素直な自分も、
溢れ出す。とまらない位、溢れ出す。
人は独りじゃ生きられない。
だから、もっと素直になって良いんだ。
世界中全ての人が敵じゃ無い。
周りが信じてくれなくても、
必ず誰かが貴方を信じてくれるから。
言葉とは、何とも無力で何とも力強い。
そして、とても矛盾がましくてとても素直で。
そんな言葉で人は傷つき、癒される。
人は不思議で、面倒で、とっても素敵な生き物です。